日本において年々ヨガ人口が増えてきています。しかしその中で、ヨガの歴史を詳しく知っている人はあまり多くはいないでしょう。ヨガという言葉は、元々インドのサンスクリット語で「Yuj(ユジュ)」という言葉からきています。これには「つなぐ」という意味があります。今から5000年前にインダス文明が発達したインダス河流域の遺跡や壁画には、ヨガを行う人の姿が描かれています。「つなぐ」という意味がついているのは、ヨガの歴史にはサンキャ哲学やヒンドゥー教が関係しており、心と体をつなぐ、魂と宇宙をつなぐ方法としてヨガが生まれたからです。
ヨガという言葉が初めてでてきた文献は、パタンジャリが書いた「ヨガスートラ」と言われています。しかし、この中でもパタンジャリはヨガの教えは自分が作ったのではなく、人から人へと伝わったものだと記されています。紙やペンがなかった時代に、口語で人から人へ伝わって現在も存在しているのがヨガなのです。その後、さまざまな人がヨガの作法や考え方を提唱するようになり、その知識はインドから世界へと広まりました。現在では、さまざまな国のヨガ指導者が、自国の文化を取り入れて独自で作り出したヨガもあります。
日本への伝来を時系列で考えると、ヨガや古代伝統医学はインドから中国へと渡り、日本で広まったと言われています。正座の姿勢は、実はヨガのポーズの一つでもあります。そう考えると、ヨガの文化はもっと前から中国を経由して日本にも普及していたのかもしれません。ヨガの歴史は、ヨガ哲学として現在も世界中で学ばれています。そこから、古代から現代にかけて、本当に素晴らしいものは変わらず支持されることが窺えます。人が生きる中で役立つ知恵が詰まった奥深いヨガを、ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょう。